kouza.gif (3196 バイト)

heppi.gif (206 バイト)号外heppi2.gif (207 バイト)
2005年のスケートを語る(少しだけ)


当講座においては昨年秋より平穏無事にホッキーパンツについて語っていたのでありますが,ここに来てホッケーシューズ前線にいろいろと変化がありましたので(要するにクツを買い換えたのです),ここに号外として2005年初レポートさせていただきます。


2002年末頃までのホッケーシューズ界の変遷については緊急講座「21世紀のホッキーグッズを語る,いやぜひ語らせてくれ」にて復習のほうよろしくお願いいたします。それでは2003年以降の流れを軽くフォローしてゆきましょう。

前回緊急講座で述べたホッケーシューズ界の勢力図からの変遷としては,まず2002年時点では大勢を占めていたHI−LO連合に対して新たな攻勢をかけていたRocker-Chasis反乱軍の消滅をあげることができます。当講座としてもその動向を見守りあまつさえ投資までして支援したRocker-Chasis軍ですが,やはり部品点数の多さに伴う重量増が大衆には理解を得られず,徐々にその姿を消してゆきました。一方,Rocker-Chasis軍の敗退でますます独裁体制を強固にしたかに見えたHI−LO連合の中でも変化が現れてきました。1つはRocker-Chasis軍に対峙するべく築かれたVIBE前線の崩壊です。当初革命的な発想として一部熱狂的な支持者を集めたVIBEでしたが,やはり部品点数の増加が災いしたのか,2年目にはVIBEUと称して後輪部のみ搭載,そして大衆の予想通り3年目には通常のHI−LOへと戻っていったのであります。アーメン。

ということで2003〜2004年にかけてのホッキーシューズ界はHI−LO主義を掲げるMission大統領による1党独裁政権が席巻したのであります。Mission党としてはクツひもをいじってみましたよ,という感じ以外はわりとオーソドックスなD−1,そして翌年にはシャーシをかなり頑丈にしてみましたよのD−1C,と順当な品揃えを敢行しておりました。他社ももはやこの政権を支持するかのような製品を展開。この世はHI−LOにより永遠の繁栄が約束されたかと思われたのです・・・・

そうなんです,「思われたのです」と書いたからにはそうはならなかったのです。HI−LO主義にひれ伏したかにみえた諸侯達の中でも有力なTOURとCCMが,密かにしかもしっかりと策を練っていたのです。偶然か談合かは歴史が後世に伝えることになると思いますが,2004年突如としてHI−LO陣営の有力2社が新たな政策を打ち出し,離党していったのでした。最初に飛び出したのが,全輪80ミリ、フラットへの回帰を掲げたTOURであります。これは考えてみればホッケーシューズ界の始祖Reidell氏が提唱したフラット帝国の再建と言えなくもありません(いや,冷静に考えると言えねぇーなです)。

昨年来よりインライン界方面に徐々に力を入れているCCMですが、こちらはHI−LOへの挑戦のみならず、軽量化という土俵でも新たな波紋を投げかけています。同社のPFシリーズにおいてはHI−LOに対して72−76−76−80というEASTON以来の意欲的なウィール構成で攻勢をかけているわけです(ワッ!ダジャレ)。さらにフラッグシップのPF−10においてはマグネシウムシャーシとマイクロベアリングの組合せで業界最軽量を唱っており、HI-LO及びMISSIONを痛く刺激しているのです。おまけにウィールはRinkRatの最高峰BlueFlameを採用!まさにここ数年来ではCCM最高の意欲作ここにありなのです。本製品の出荷を固唾を呑んで待っているプレイヤーを2人以上は知っているのですが、やっと4月後半あたりからその姿をみかけるようになりました。

迎え撃つMISSIONは伝統のHI-LOを堅持しつつ、新たにHELIUMというコンセプトを打ち出してきました。数年前我々を魅了したあのWickedLiteと同じなんですけど、言い方を変えるとなんかイケルもんですね。こちらもやはりマグネシウムを採用。去年せっかく削り出しで頑丈なアルミシャーシを出したのに惜しげもなく路線変更です。重量的はPF−10のほうが数10グラム軽いのですが、検証の結果これはマイクロベアリングと通常ベアリングの差であろことが判明しました。MISSION関係者になんでマイクロベアリングから撤退したのかを訊ねてみましたが、あまり明快な回答はなく、「まあまた採用することもあるかも・・・」てな具合でした。あともう1問、なんで最高モデルにあんまり聞いたことがないメーカーのウィールが付いているのか、という疑問は夏まで持ち越しとなりました。

さて、11月初旬にPF−10の発売が1月頃(実際には4月になりましたが)との報を聞きつけた筆者は、まずは堅実に手に入るものから入手することにしたのでした(←ちゅうかあなたのD−1Cはまだまだ使えるじゃないですか!という声は聞こえないことにした)。なにしろHELIUMなのである、軽いのである、ここ数年目に見えて衰えている脚力にはなくてはならない代物であることは明白なのである!という主張です。ここで足慣らしをして、さらに軽量なPF−10を入手、という算段かどうかは定かではない。そして11月下旬にとうとうHELIUMが、正確に言えばHELIUM H950 サイズ6.5、幅2Eを入手したのでした。もうかなりの人々に披露したのですが、あらためて簡単に紹介することにしました。


MISSION H950

全体デザイン
まず目に付くのはブーツの全面モデルチェンジでしょうか。なんかゼブラーなイメージで好き嫌いが出そうなデザインです。従来のMISSIONとはちょっと違うセンスで、どちらかというと大手スポーツブランドのバスケットシューズっぽくもあります。クツひもの通し穴がプラスチックのループ系になりました。


(白ブーツに赤シャーシ、いままでにない組合せかも)


(逆側から見てみました)

ブーツ
デザイン的なことはともかく、履き心地はすこぶるしっかりとしています。いままでのMISSIONはどちらかというと、かなりルーズで柔らかい感じでしたが、今年のHELIUMは違います。ほんとに足全体を包み込む感じでしっかりとホールドしてくれるので、軽いことも手伝って、細かい動きにもしっかり追従してくれる感じです。幅を2Eにしたのでまっさらでも痛くはありません。さらに自宅の遠赤外線装置(和風名称:炬燵)にて加熱しまして、30分ほど履いたままテレビなど観ておりましたら、さらにしっかりと足に馴染みました。


(正面はこんな感じ)


(後ろから見ると真っ白ですね)


(ヒモ留めはループ方式)

シャーシ
たぶんここに軽量化の全てが注ぎ込まれていると思われるパーツです。素材色はわかりませんが、赤塗装が施されていてきれいですが、滑り方によってはすぐに剥げてしまいます。形状は一昨年のシャーシに戻った感じで、軽量化のための肉抜きが微妙にあり、少々柔な印象は否めません。筆者程度であれば許容範囲でしょうが、本国のプロの方々にはいかがなものか今後の動向が気になる所です。軸はいわゆるシングルアクセルと呼ばれる片側で締めるタイプですが、回すのは長い軸のほうで最初は少し戸惑います。


(MGってマグネシウムですよね)


(去年の精悍な削りだしに比べるとちょっと精度が・・・)

ウィール&ベアリング
いろいろと素晴らしい仕様が盛り込まれているHELIUMですが、最大の謎は出荷時に付いてくるこのFACTORY社のウィールでしょう。見た目はHELIUMのシャーシとマッチしてよろしいのですが、残念ながら性能及び耐久性という点では、LABEDAやRinkRatに比べ見劣りします。せっかく最高峰のスケートなのにこのウィールの選択は何か大人の事情があったのでしょうか?
ベアリングはMISSIONのABEC7を搭載、スペーサーは昨年同様通常の形状のものに戻ってます。ここら辺は軽量化よりも利便性を考慮した構成となっていますので、さらなる軽量化を図るのであればマイクロベアリングに変更するのも一考かもしれません。


(外してしてみました)


(今回の唯一の?点。謎のウィールFACTORYのz−rated)


(さらに分解して見ました)

一ヶ月点検
なんやかやで2ヶ月ほど履いていますが、まずはかなり目立ちます。そして若者たちが手にとってその軽さに驚いてくれます。またおじさん達にも軽さというコンセプトは説得力があるみたいです。そういう意味では話題性抜群と言えるでしょう。惜しむらくは筆者が使用しているとその性能の一端すらも見えてこないところでしょうか。早くMISSION正規軍に供給され、その威力を如何なく発揮していただきたいものです。


さて本当にHELIUMなのか?
HELIUMと名乗っている限りはほんとに軽くなくては話しになりません。そこでHELIUMぶりを確かめるために,2004年末の某日当講座公認秤を使用しての厳正なる計量が行われました。エントリーしたのは,HELIUM,同じくMISSIONの前モデルD1−C,前々モデルD1です。

まずは全体・・・・
HELIUM(2004):1,120g.

D1−C  (2003):1,285g.(+165g.)

D1    (2003):1,250g.(+130g.)

RTX   (2002):1,275g.(+155g.)

VIBE  (2001):1,360g.(+240g.)

VAPOR (2000):1,380g.(+260g.)

KOHO4000(1997):1,480g.(+360g.)
RollerBlades(1996):1,350g.(+230g.)

前年比165グラム,これをどう見るかは人それぞれですが,両足分であれば330グラムの軽量化に成功している訳です。なにしろ缶入り炭酸飲料もしくは缶ビール1本分の重さから解放されるのは意外と大きいと思うのです。D1が翌年のD1−Cよりも軽いのはシャーシの作りを見れば納得するところです。
ご存じサスペンション機構付極楽スケートVIBEやRockerシャーシ搭載BAUERは新たな機構を取り入れたという時点で,部品増による重量増は明らかです。より確実なグリップと片足100g.増のトレイドオフは当時としてはチャレンジングな試みとして評価できます。
一番気になったのはかつて軽さとデザインというコンセプトを両立させたWicked-Liteの重量ですが,既にどこぞへと旅立ってしまったので計測できませんでした。どなたか計測をして連絡をいただきたいところです。
さらにさかのぼってホッケーシューズのルーツに近いKOHO4000になると,360g.増となり,両足で720g.,ビールならば軽くほろ酔いになること請け合いです。そんな重いものを足に付けて走っていたと思うと隔世の感があります。まあ,その分若かったので,なんとかなったと考えるのが妥当かもしれません。いま履くと間違いなく股関節脱臼するに違いありません。


話しを戻して,いったいどこが軽量化されたのか,パーツ毎に計測してみました。
まずはブーツ&シャーシ
HELIUM:685g.
D1−C  :820g.(+135g.)
D1    :805g.(+120g.)
RTX   :850g.(+165g.)
VIBE  :900g.(+215g.)

上記の数字を見る限り軽量化の大部分はブーツ&シャーシ部において達成されていることがわかります。ここでさらにブーツとシャーシを分離して計測できればいいのですが,さすがにそこまで分解することは躊躇われました。あくまでも推測ですが,ブーツ部にはあまり違いがなさそうなので,やはりシャーシ部にマグネシウムを使用することで大いに軽量化していると思われます。


そして残るはウィールです。
HELIUM=Factory Z-rated 72mm: 90g. 80mm:110g.
D−1=Labeda Dynasty    72mm:100g. 80mm:120g.
参考 RinkRat Hornet     68mm: 90g. 76mm:110g.

ご覧のようにウィールにおける軽量化はかなり微々たるものだと言わざるを得ません。1輪あたり10g.,それでも片足40g.の軽量化にはなります。しかし,これをワンサイズ小さいウィールにすると軽量化したのと同じことになることもわかります。ここでひとつ疑問としてあがるのが,軽量化を極限まで追求するのであれば,なぜHELIUMにマイクロベアリングの採用を見送ったのか,という点です。実はHELIUMに軽量化の戦いを挑んでいる今年のCCM PF−10はマイクロベアリングを採用しています。PF−10の重さは1,000g.と発表されていますが,これはちょうど通常ベアリングとマイクロベアリングの重量差に相当すると思われ,もしHELIUMがマイクロベアリングを採用していれば同等の重さを誇ることができたはずです。あえて通常ベアリングのまま販売されたHELIUMと,極限までの軽量化を追求したPF−10,ここに今年インライン界を席捲する2大メーカーの思惑が見え隠れしてしまうのは,考えすぎでしょうか?

それでは、また次回どこかでお会いしましょう!!


目次へもどる